和田裕美 本気のプロフィール

紺野:和田さん、ここに載っているプロフィールって、今までとかなり角度が違いますけど、何で今回このように修正したんですか?何より、外せないキーワードだと思っていた“世界NO.2”が載ってないですよね・・?

和田:そう、その“世界NO.2”が恥ずかしいから・・

紺野:えっ!?恥ずかしい?すごい成績だし、なんていっても“世界NO.2”って、もう和田裕美とイコールというか、枕詞のようになってると思うんですけど。

和田:うん。一位とか二位とかのランキングって、その時だけの結果だからたまたまヒットが出たということなんだよね。それよりも10年連続トップ10入りとかのほうが本当の実力者。だから、そういうことを言ってもらうと本当はね、隠れたくなるんです(笑)

紺野:ふぅーん・・そうなんですか・・。で、でも・・聞いてもいいですか?うー、聞いてもいいのかな。えーと、普通に考えると「恥ずかしいなら最初から言わなければいいじゃないか」と思うんですけど・・・その辺いかがでしょう?

和田:ごもっとも(笑)わたしも最初は言いたくなかった。言いたくなかったんだけど、言うしかない!って考えを変えるタイミングがあったんだよ。

紺野:え?言いたくなかったのに言ったんですか?ご自分で?それっていつ、なんでなんですか?

和田:語ってもいいの?長くなるよ?(笑)

紺野:ぜひぜひ、お願いします!

和田:ブリタニカが日本撤退となってリストラにあってしまったとき、お金もタイトルもなくなって何もかもなくなってしまったわけだから、「次の仕事どうしよう・・・」ってなるよね。
しかも実はその時、つきあっていた彼氏にまでふられて同時に失っていたりするんだけど・・これはまたの機会に。 ますます長くなるからね(笑)

支社長をして本社の営業部長をした人間がリストラにあったというので、同業からはお誘いを受けたわけなんだけど、なんとなくそんな気になれないし、かといって他にやりたいこともわからなかったの。
それでそのとき私、「自分で今できることって何だろう」って考えてみたのね。
そうしたら私のやってきたことって 営業と営業マン育成のトレーニングと営業マンのリクルーティングとか そんなことばっかりで、言い換えるとそんなことしかなかったんだよね。 そこで出た結論は、 「何をやっていいかわからないなら、とりあえずは自分の得意分野のことをやっていくしかない」 ってこと。

だから、そこからものすごい勇気出してネットで異業種交流会を検索して、自分で作成した「営業セミナーできます」というちらしを作って持っていったの。 人見知りだから、ひとりで異業種交流会行くって、私の中ではほんとすごいチャレンジだったよ。 まあそんなこと人に言ったら 「世界NO.2のセールスウーマンが何言ってるの」 って笑われるか、信じてもらえないけど(笑)

でね、その会でちらしを配ってたら、参加者の一人で少しふくよかで笑顔のやさしい男性、Hさんっていう人がが私に向かってこう言ってくれたの。

「営業セミナーをやりたいの? ならあなたの実績がわからないとあなたが誰か知らないから依頼できないよ。それに あなた営業できそうに見えないし余計難しいよ」

がーーーーん・・って思いながら 「はぁ・・実績って・・どういうこと書いたらいいですか?」 ってHさんに聞いたら、

「そうですね、いままで取った賞全部書くとか、何人の部下がいたとか、何位だったとかかなとにかく思いつくこと全部書くの。いいことたくさんね」 って言ってくださった。

で、私は 「でも、なんかそういうのってなんか・・自慢みたいであんまり書きたくないのですが・・」 って言ったのね、そうしたらHさんは私の顔をすっごい真剣に見て、

「あの、和田さんはこれで食べていこうって思っているんでしょ?だったら、それをどう思われるとか気にしないで腹くくって出していくしかないんだよ。それを信用の材料にするのがお客さんなんだよ」 って。 それを聞いて「そうだ、そうだよね」って思った私が、腹をくくって作ったプロフィール。そこに初めて“世界NO.2の実績”が登場した、というわけ。

そして、それから一年半後にダイヤモンド社さんから出た本のタイトルに “世界NO.2”がそのまま使用されて、なんだか和田裕美の屋号というかキャッチコピーみたいになってしまった・・と、そういういきさつなの。

紺野:そうだったんですか!知らなかった〜。スタッフなのに・・。てっきり和田さんがイケイケでつけたキャッチコピーだとばかり、今の今まで思ってましたよ。

和田:違う、違うのっ。ううーー。

紺野:でも、腹くくったんですよね?じゃあそんな、今になって恥ずかしがらなくたっていいじゃないですか。

和田:攻めるねー(笑)

確かにね、そのとき腹をくくったし、“世界NO.2”っていうインパクトと「なんで2番なの?」っていう意外性もあって覚えてもらうことも多くって、あのときHさんのアドバイスを受けてよかったと今もつくづく思ってるよ。 Hさんにはその後『営業のビタミン』も出させていただいたし、本当に感謝でいっぱい。

でもね、なんとなく恥ずかしいっていうのは、最初に言ったように世界2位っていう結果は単発の結果ということもあるし、それよりも、苦労して初めての女性マネージャーになったこととか、辞める人が少ない組織を作れたとか、そんなことのほうがもっともっと達成感があって、自分ではそっちのほうがすごい結果だって思ってるから。

それにね、世界NO.2っていうと 「世界NO.1は誰だったんですか」ってよく聞かれるんだけど、その当時は確かアメリカの人だったと思うけど名前もわかんないし、あとその後もその前も世界1位も2位も世界にも日本にもいらっしゃるんだよね。 だから、 「和田さんよりも私のほうがもっと売ったぞー」 っていう人もちらほらいらっしゃって、悪いなぁっていつも思ってることもあってね・・。

紺野:そうだったんですねぇ。いやぁ、講演の時とかプロフィール紹介されるときによく和田さんすっごい居心地悪そうにしてるから、なんでかなあとは前から思ってたんですよね。

和田:うん。だから早く“世界NO.2”から卒業して、「株式会社ペリエの」とか「人に好かれる話し方教室の」とか、今のことを言ってもらえるようになりたいなあって思ってるの。

紺野:そうでしたか!今日は和田裕美の大きななぞがひとつ解けました。たぶんこれを読まれたみなさんも「へぇーっ、和田さんって“世界NO.2”に対してそんな思い抱えてたんだー」って驚かれると思います。ありがとうございました。

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